救急搬送の現状を知ろう

ご覧いただきありがとうございます。
さて、現在の医療・介護制度は、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて大きな変革を迫られおり全国で地域包括ケアシステムの実現に向けて準備が進められている事をご存じの方は多いと思います。
高齢の患者は退院後、在宅医療・介護等でケアを進めていく事になるわけですが、
万が一、脳卒中や、急性心筋梗塞などで倒れた時、救急搬送体制の整備が非常に重要で、ここが大きなポイントです。
先ずは、救急搬送の現状と課題について、見ていく事と致しましょう。

救急出動件数は増加の一途!

先ずは、救急出動件数から見ていきます。
出動件数は、年々増加し2015年にはとうとう605万件を超えてしまいました。
今後は更に高齢者が増える為、今以上に出動件数が増加することが容易に想像でき、これをどう対応するのか?が一つ目の課題です。

救急搬送時間は年々延伸!

次に、時間を見てみましょう。
救急車の現場に到着する所要時間は、全国平均で8.6分で、微増です。
病院収容するまでの所要時間は、全国平均で39.3分で、前年横ばいです。

救急医療は、ご存じの通り時間との戦いです。
時間が経過し病状が急変したり、その結果、後遺障が残ってしまう可能性もあります。
救命曲線からも、時間の経過がいかに大切かお分かりいただけると思います。

救急搬送の年齢区分は、高齢者が全体の約6割!

搬送された傷病者を見ていくと、高齢者の搬送者数が増えていることがわかります。
2018年には、高齢者の救急搬送者数は350万人上りました。

救急搬送は急病が最も多く9年連続で過去最多を更新!

2018年の救急搬送を事故種別で見ると、急病が65%、交通事故が7%、一般負傷が15.1%、転院搬送が8.2%、その他が4.7%となっています。
交通事故は減少していますが、急病は年々増加し続けていることがわかります。

救急車が有料化に?

1年間に10回以上救急車を呼ぶ頻回利用者に関しては、2016年中で94名(神戸市)でしたが、消防本部は関係機関と連携し個別対応を行いました。
例をあげると、ご家族に相談し本人から緊急要請があった時の対応を協議しておく等、頻回利用を減少させた事例があります。
このように個別対応により、一定の効果は上がっていますが、全市レベルではまだまだ仕組みづくりが標準化出来ていないと言えます。
2015年に、財政制度等審議会は、頻回利用や軽傷利用を背景に、救急出動の一部有料化について財務大臣に建議を行いました。 海外(ニューヨーク、ミュンヘン、パリ等)では救急搬送を有料化している事例はありますが、日本での有料化に関しては賛否両論といった状況です。

病院救急車が深刻な高齢者救急問題を救う?

高齢者の増加や地域医療の前進により、救急搬送のニーズは、今後ますます高まっていきます。
新たな仕組みづくりを必要とする高齢者救急は、平成14年12月には、南多摩病院の救急車を利用し、八王子市在宅療養患者救急搬送システム(八王子市医師会が事務局)と南多摩病院独自のシステムを併用し運用が既にスタートしています。
念のため説明しておきますが南多摩病院(医療法人社団永生会南多摩病院)の益子邦洋院長は、ドクターへリの制度を日本に作り出した救急医療の先駆者です。
その実績や経験を生かして、今、取り組んでおられるのが、病院救急車の普及です。
地方公共団体の財政悪化によって、今まで以上に救急隊員の充実を図ることが期待できない状況の中、全国的に病院独自の取り組みが広がり始めていることは、南多摩病院や八王子市(八王子医師会)の大きな功績と言っても過言ではありません。